06 研究開発
創業者の想い

中尾濾布研究所

「熱意を以て研究開発に努力し
 誠意を以て社会に奉仕する」

創業者 中尾善宣は昭和9年、三井鉱山三池染料工業所の染料製造工程において従来の木綿ろ布よりも10倍の耐久性に優れる耐酸性の羊毛ろ布の開発に取り組み、生産性と安全性の向上に大きく貢献しました。
さらに、戦後いち早く米国より合成繊維を輸入し、日本で最初の合成繊維ろ布の開発に成功し、国内高分子化学工業の発展にも寄与しました。以後、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ガラス繊維など常に新しい素材を研究し、製品化し、新しい用途を開拓してきました。
ろ過工程の課題を捉え、新しい繊維技術を研究開発し、解決に導く、このような中尾善宣の考え方は、現在もわたしたち研究開発部のろ布づくりの基本的な理念として受け継がれています。

中尾善宣
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スクロール

06 研究開発
ろ過を探究する

ろ過や集じんの世界は複雑で、理論や法則をあてはめることが難しいことで知られています。工業におけるろ過操作は、様々な分野で利用されていますが、固液分離、固気分離、濃度、無機物、有機物、液性、温度、粒子径など、ろ過の対象物や環境は多種多様で、さらに、ろ過の要求性能として捕集性と処理能力は相反しやすいことが、ろ過をより複雑にさせています。
また、粒子の微細化など世の中の需要の変化によりろ過環境が変化し、ろ布のトラブルが発生することはよくあることです。わたしたちは、トラブルのろ布を回収して、よく観察し、仮説を立て、ろ過実験や集じん実験で検証することで、この複雑で難しいろ過の世界での新たな発見を目指して日々探究を続けています。

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スクロール

06 研究開発
ろ布を探究する

ろ布は繊維でできています。しなやかで丈夫な繊維で構成されたろ布は、多孔質で柔軟性に富み、ろ過と剥離を何度も繰り返し行うケーキろ過用のろ材として、非常に適しています。
世の中には繊維化されていない合成樹脂や開発中の未知の素材がまだまだ沢山あります。わたしたちは、それぞれの耐薬品性や耐熱性、強伸度などの特性を測定し見究め、よりろ布に適した新しい繊維を発見するため、アンテナを張り巡らせ、日々探究を続けています。
また、機械特性が未知の新しい繊維材料は、加工技術が難しく、シミュレーションと試作を繰り返し、製造現場と一体となって量産化の技術を確立していきます。これまでわたしたちが発案した特許、実用新案は数多く、これからも、社会の役に立つ画期的なろ布を発明するため、繊維加工技術の探究を続けていきます。

織物シミュレーション